これまで、ANAマイレージクラブのマイルの残高や有効期限の見方について、詳しく紹介してきました。でも残念ながら、「飛行機に乗ったから」、「ホテルに泊まったから」、あるいは「電子マネーで決済をしたから」といって必ずANAのマイルが貯まるわけではないのです。

今回は、「積算できない」、つまり対応に注意が必要な場合について、紹介していきます。

  • 特典航空券で搭乗した場合
    国際線、国内線を問わず、マイル交換による特典航空券でANA便や提携航空会社便に搭乗した場合には、区間基本マイル、ボーナスマイルなどは積算されません。
  • 他の航空会社のマイレージプログラムに積算した場合
    積算可能な運賃でANA便に搭乗しても、ANAマイレージクラブ以外のマイレージプログラムに積算を申請した場合には、ANAのマイルは貯まりません。このことを念頭に置くと、国際便に搭乗したときの加算漏れやミスを防ぐのにも役立ちます。
    もう一つ気を付けたいのは、「他の航空会社のマイレージプログラムで貯めたマイルを、ANAマイレージプログラムに引き継いで加算すること」もできないという点です。
  • マイル事後登録の期限が過ぎてしまった場合
    ANA便の搭乗や、提携ホテルでの宿泊をすると、ANAマイレージクラブのお客様番号の申し出を忘れても一定期間であれば、インターネットまたは郵送で事後登録申請ができます。しかし、所定の期間(6か月)を経過してしまうと、事後登録ができなくなりますので、積算不可になってしまいます。
  • 座席を必要としない乳幼児連れで搭乗した場合
    子連れでの搭乗を考えているファミリーが注意すべきなのは、お子さんの分のマイルです。国内線は3歳未満、国際線は2歳未満の乳幼児の場合、保護者の膝上で座席なしでの搭乗が可能です。お子さん用に座席を取った場合には、お子さんの名義のANAマイレージクラブカードがあればマイルが積算されますが、座席なしでの搭乗の場合、マイルは積算されません。(座席あり・なしいずれの場合にも、お子さんの分の搭乗券は必要です。)
  • 国際線アップグレード特典を利用した場合
    ANA国際線のアップグレード特典をANAマイレージクラブのマイル交換で利用した場合は、搭乗したクラスではなく、購入しているクラスの運賃に基づいて積算されますので、区間基本マイルに対する割増加算などはありません。(国際線アップグレード特典については、また別の記事で説明します。)
  • 加算対象外のチケットでANA便に搭乗した場合
    以前の記事で、国際線エコノミークラスのチケットの運賃の分類方法である「予約クラス」によっては、ANAマイレージクラブ加算対象外となることを説明しました。これは格安航空券の中でも「激安チケット」などと呼ばれ、場合によってはLCC並の運賃でANA便や提携会社の運航便に乗れるものです。
    「予約クラス」は航空会社の方で決めていますが、パッケージツアーに参加する場合は、チケットの引き渡しが完了する前でも旅行代理店などに問い合わせれば、加算対象外でないかどうかが分かります。特典航空券と予約クラスによる加算対象外以外の国際線搭乗でマイルが貯まらない場合には、他に無償航空券の使用の場合と、各種優待割引航空券使用の場合があります。なお、国際線のチャーター便についてはANA便のみ積算対象となり、積算率は利用クラス(ビジネス、エコノミーなど)にかかわらず、区間基本マイレージの50%になります。

    国内航空券の場合は、国際線の航空券ほど複雑な仕組みにはなっていませんが、上記で説明した特典航空券以外にも加算対象外のチケットはあります。チャーター便、無償航空券、包括旅行割引運賃(搭乗者名に個人名が明記されていないもの)、団体割引運賃、包括団体旅行運賃、そして本人分の「いっしょにマイル割」の利用時です。

  • 搭乗者は1人だが、その人が2席以上座席を使用した場合
    あまり一般的ではありませんが、楽器や大型荷物などを機内持ち込みにする場合、1席を保管用に確保する場合があります。この場合は、2倍のマイルが積算されるわけではなく、1名分になります。同様の理由で、力士の方など座席よりも体が大きくて2席を使用する場合も、支払った金額にかかわらずマイル積算は1名分となるようです。
  • ANAマイルがたまる「楽天Edy」決済にも加算対象外がある
    電子マネー「Edy」機能が搭載されたANAマイレージクラブカードでは、支払い200円ごとに1マイルが貯まりますが、支払の対象品目によっては加算対象外となっています。一部コンビニエンスストアでのチケット類購入や宅配便利用でEdyによる支払いができるものの、加算の対象外となっているものがあるのです。ご自分がよく利用するコンビニエンスストアでのEdyの取り扱いを、公式サイト(http://www.ana.co.jp/amc/reference/tameru/more/edy/card.html)で確認してみるとよいでしょう。

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