ＡＮＡマイレージクラブでは、フライトマイルを積算する際、ＡＮＡが定めるマイレージチャートに従ってマイル数が決められています。

マイレージチャートとは？
飛行機の運行距離は、同じ路線であっても、風向き、風速や天候、管制からの指示によるルート取りによって、「純粋な走行距離」は毎回違います。それで、飛行機の場合はどのようなルートをとっても、同じ空港間を利用するのであれば、同一の距離数という取り決めにしています。

この「距離を定数化した表」がマイレージチャートです。

世界の航空会社が加盟しているIATA(国際航空運送協会)という機関が全世界の定期運航便のマイレージチャートを定めて公表しています。その根拠となるものが「TPM」という単位です。これはTicketed Point Mileage＝直行区間マイレージのことで、これがいわゆる「マイル数」となるのです。

IATA(国際航空運送協会)には、世界中の250社以上の航空会社が参加しており、ANAも加盟しています。IATAでは、春と秋にTPMに関するマニュアルを改定しています。

ＡＮＡでは、このTPMマニュアルを基にして「搭乗区間基本マイレージ」を定めており、毎年秋の改定に伴って、ＡＮＡでも毎年見直されています。
これがＡＮＡマイレージチャートです。
マイレージチャートは、ＡＮＡの公式サイト
（国際線：https://www.ana.co.jp/amc/reference/tameru/flightmile/int/chart.html、国内線：http://www.ana.co.jp/amc/reference/tameru/flightmile/dom/chart.html）で確認することができます。

国内線マイレージチャートの積算条件と利用のコツ
ひと口にマイレージチャートと一口に言っても、国内線と国際線では大きく異なります。

国内線のマイルの積算条件は、ＡＮＡ公式サイトでも紹介されていますが、
国内線フライトマイル ＝ ご搭乗の区間基本マイレージ × 運賃種別ごとの積算率
で計算され、マイル口座に登録されます。

基本的に「運賃が高ければ高いほど、また、短距離よりも長距離のほうがたくさんマイルを貯めることができる」ということです。

「短距離路線を何度も利用する」というのは、「フライトマイルを貯める」という観点だけでみると、あまり効率的とは言えません。しかし、利用する路線が比較的近く、仕事や帰省などで何度も利用するという方には、プレミアムクラスが設定されている便であれば積算率が150％または125％と高くなるので、プレミアムクラスの利用がオススメです。

国際線マイレージチャートの積算条件と利用のコツ
次に国際線マイレージチャートについてです。

国内線のマイルの積算条件は、ＡＮＡ公式サイトでも紹介されていますが、
国際線フライトマイル ＝ ご搭乗の区間基本マイレージ × 予約クラスごとの積算率
で計算され、マイル口座に登録されます。

国内線と違うところは、「予約クラス」という設定があることです。

一般に国際線で「クラス」と言えば、ファーストクラス、ビジネスクラス、エコノミークラスという「座席の分け方」によるものが有名ですが、運賃体系においては、座席より細かい区分で「予約クラス」が設定されています。

予約クラスはＡＮＡなどチケットを発券する航空会社が設定しているもので、利用者が選ぶことはできませんが、大まかに言うと、「高い運賃ほど予約クラスにおける積算率が上がる」ということになります。

仕事で利用される方は、格安航空券などはあまり手配しないと思いますので、エコノミークラス利用であっても比較的積算率の高い予約クラスになることでしょう。一方、私的な旅行で「なかなか予算が厳しい」という方は、長距離路線を利用して区間基本マイレージのマイル数を多くするのがマイルを効率よく貯めていく方法と言えます。

ちなみに、2017年2月現在、ＡＮＡの運行路線で一番区間基本マイレージが多いのは、「東京―メキシコシティ」間の7,003マイルです。これは、2017年2月15日から新規に就航されている路線です。

チャートを見るときに気を付けることはこんなこと
国際線・国内線のマイレージチャートで共通して言えることですが、記載のある路線でも季節運航便や運休に伴い、実際には搭乗できない便があります。 

なお、2017年2月の国際線マイレージチャートでは、プレミアムエコノミークラスとエコノミークラスの予約クラスが、前年のものから大きく変更されています。特に予約クラス「Ｇ」については、昨年秋まではエコノミークラスの積算率「30％」の設定となっていましたが、変更後はプレミアムエコノミークラスの積算率「100％」となっています。

また、ＡＮＡ便が運行している都市でも提携航空会社が運行するコードシェア便を利用する場合は、付与されるマイルの積算率が異なったり、付与されないこともあります。

Photo credit: 305 Seahill via Foter.com / CC BY-ND